注射剤などの薬剤容器１

更新日：20191217

ガラスアンプルは古くから注射剤の容器として用いられてきました。ガラスアンプルに使用されるアンプルは、ホウケイ酸ガラスで、化学的耐久性に優れています。ところが、ガラス表面が一部溶解、崩壊・剥離(フレークス)するなどの欠点もありました。それに比べプラスチック容器は軽量で破損しにくいことから、わが国ではポリエチレン製のアンプルが開発され、比較的安定な薬液(注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖液、キシリトール注射液など)を充填した製品が市販されてきました。しかし、ポリエチレン製のアンプルはガスバリア性に劣り、アミノ酸液や炭酸水素ナトリウム液には使用できませんでした。20年近く前からは、ポリエチレンアンプルをガスバリア性のパウチで2次包装することによりこの問題が解決され、現在ではプラスチックアンプルの製品が増加しています。プラスチックアンプルの製品は、Blow-Fill-Seal（成形同時充填）システムによって製造されています。製造工程は次の通りです。最初に、完全無菌無塵装置内でパリソンを押し出します。金型を閉じて、ヘッド部よりパリソン内に無菌圧力エアーを注入し、1次ブローしてカットナイフでパリソンを切断します。次に、パリソンに2重構造のブローピン・充填針ノズルをセットした後、ブローピンより無菌圧縮エアーを注入しアンプルを成形、続いて無菌ろ過した薬液を充填針より充填後、シールモールドによりアンプル上部をシール。金型を開けて薬液入りプラスチックアンプルを取り出します。